08/9/15 NHK番組「ママはイラクへ行った」を見て
昨日放映された「ママはイラクへ行った」は、ショッキングな内容でした。米兵の1割以上を女性兵士が占めていること、その女性兵士の多くが「ママ」であること。離婚した5人の子どものママは、軍曹として9月にイラクへ二度目の派遣を控えていた。10歳の末っ子は不安を隠せず、「なぜイラクに行かなければならないの」と問うが、その思いがわからなくて、彼女はイラク派兵の大義を語るだけ。母親としての当たり前の「行きたくない」という思いにも自ら蓋をしてしまっていた。すれ違う親子の思いが痛々しい。もう一人のママは、イラクで12歳の子どもを殺してしまった。正当防衛だが子どもを殺したという罪悪感からPTSDに陥っていた。帰還して結婚、一児のママになったが、よちよち歩きの坊やに愛情を示せなくなった。母性に与えられた子どもを受け入れる寛容や命に対する慈しみの心を取り戻せないらしい。戦場で殺すか殺されるかの極度のストレスにさらされ、人間的な心や精神の安定を失ってしまった女性たち。被害者だけでなく加害者も壊してしまう。女性だけが人間性を失ってしまうのではない。米帰還兵の銃乱射事件、DV加害も多発している。テロは戦争ではなくせないのに、戦争では平和はつくれないのに、アメリカはなぜ戦争を続けるのか。帰還兵の苦しみとアメリカ社会の闇を見て、あらためて米政権への怒りがわいた。
日本がこんな戦争を支援しつづけるなんてとんでもない。直接加害はしていない自衛隊でも、海外帰還者の自殺が多発している。日本が取るべき道は、アメリカの戦争を支えることではなく、戦争はやめよと進言することだと思う。でも自民党総裁に立候補している5人が5人、そろって戦争支援を続けるという。女性初の防衛大臣だった小池百合子氏に聞いてみたい。「あなたも戦争にいきますか」と。