2008/07/15 若者たちの声に耳を傾けた2時間
7月12日、若者たちが語りあう「青年トーク集会」にゲストコメンテーターとして参加しました。20人ほどの若者が、自分の仕事のこと、くらしのこと、最近考えたこと、などを自由に語り合う企画でした。職業もさまざま。農業関係の団体職員、学童保育指導員、塾講師、パート店員、派遣社員、失業中の人etc. その話はいま日本が直面している政治と社会の縮図のようでした。
学童指導員で働く女性の話 「同僚の男性は、年収200万円以下では結婚できないから彼女はつくらないんだと話している。仕事に情熱を持っているから仕事は辞めたくない。だから結婚をあきらめる」 …なんて残酷な話でしょうか。いま学童保育はどこも満員。とも働きを支え、放課後の子どもたちの居場所としてなくてはならない事業なのに、親はこれ以上の負担増に耐えられず、指導員は低収入を余儀なくされている。こんな制度でいいのかと親と指導員の運動が広がりつつあるが、指導員の雇用条件や生活保障の基準は確立されていない。国、自治体のとりくみの遅れは深刻です。
塾の講師の話 「高校生の生徒がアルバイトづけになっているので、大学に行きたいならもう少し勉強時間をとれないのかと注意したら、『家の経済力では大学に行かせてもらえないので、 いまからアルバイトで入学金を貯めている』といわれびっくりした」「これまで親に送り迎えしてもらっていた女の子がガソリン代がかかるからと自転車でくるようになった。夜の帰り道が心配」…豊かになったはずの日本で経済苦に子どもが追い込まれています。世界一の高額費、日本。フランスやドイツでは国立大学主年度納付金は2万円以内。アメリカでも州立大学は50万円。日本の国立大学は80万円。高校の入学金が払えないで入学式に出席を断った高校が問題になりましたが、これに似た話は栃木県でもあると聞きました。打開しなければならない喫緊の課題です。
派遣社員といっしょに働いている製造現場の労働者の話 「同じ職場で働いている派遣社員は、7~8年も働いているのにボーナスも退職金もつかない。正社員と同じ仕事をしているのにおかしいと思う」 …正社員か、非正規かで年収はおろか年金も違ってくる。生涯にわたって格差がついてまわるのです。こんな働かせ方に誰がした!!製造業の現場にまで派遣労働を解禁したのは2003年、自民・公明政権です。おおもとの派遣労働法制定のときから一貫して問題点を指摘してきたのは共産党だけでした。一刻もはやく、派遣労働者を保護するための法改正をと叫ばずにいられません。
大手チェーン店パート店員の話 「店長は数店舗を掛け持ちし、責任ある正社員が不在。店はパートにまかされ、何かあっても責任とれないと不安。」 …名ばかり管理職が問題になっているが、管理職そのものが不在とはびっくり。私の友人も、パートで雇用されて「店長」をしています。もうけ本位で安全や顧客への責任など二の次の営業でいいのでしょうか。
農業関係団体の職員の話 「環境問題がさわがれているが、環境税はできたけれど林業の担い手はいない。間伐しても木は売れないし、間伐した木は山に捨てている。運び出す手間賃もでない。コメを作っても食べていけずどうしたらいいのか」 …農業・林業の発展は、外国からの輸入自由化を規制することぬきに考えられません。国産材を使って家を建てる人も減りました。林業のもつ環境面の評価だけでなく、林業として成り立つようにしてこそ本当のリサイクルのはず。国の無策が情けない。
書ききれませんが、このほかにも「消費税増税されたら食べていけない」「失業中で困っている」「ガソリンが値上がりして車に乗るのをやめた」など切実すぎてため息がでました。こんな日本でいいのかとの思いが会場に広がりました。私もコメントしながら怒りがこみ上げてなりませんでした。みなさん怒りましょう。声をあげましょう。政治を変える主人公として!