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2008年6月第294回定例会報告①反対討論

第294回定例議会(2008年5月30日~6月16日)報告①


日本共産党野村節子県議の議案にたいする反対討論(6月16日)
 日本共産党の野村節子です。私は、第6号および第7号、第15号知事の専決処分39号と59号に、反対の立場から討論いたします。
 まず第6号「県税条例の一部改正について」は、福田内閣が都道府県の格差是正のためと称して作った新しいしくみ「地方法人特別税等に関する暫定措置法」を実施するためのものです。都道府県の法人事業税の税率を引き下げ、それに相当する分を国税の「地方法人特別税」とし、その同額を「地方法人特別譲与税」として人口と従業員数に応じて都道府県に再配分します。もともと地方税だったものを国税にかえて再配分する。これでは地方への税源移譲の逆行です。格差是正のためなら、まず交付税削減政策をやめるべきです。同時に、国税となった地方法人特別税額は、消費税1%に相当しており、将来の消費税率引き上げを想定したものだと見なければなりません。こうした制度には反対です。
 つぎに第7号「栃木県防災館設置および管理条例の一部改正について」ですが、防災館の管理を指定管理者に行わせることに賛成できません。防災館は入場無料ですから収益とは無縁の施設です。今以上に経費削減のため人べらしや雇用条件の引き下げが迫られることになります。民間の宣伝ノウハウの活用は県直営でも可能です。
 先日、私は防災館を視察し、その役割と重要性を再認識しました。学校や町内会、また、このような施設のない茨城、群馬からも利用があるそうです。災害現場を熟知した消防署員から直接説明をきき、地震や風水害、火事の煙などを模擬体験できます。
 私も震度7の揺れを体験させていただきましたが、その直後に岩手・宮城内陸地震がおき、あんな揺れが1分も続いたらパニックになると想像できました。日頃の備えが生死を分けます。
 災害が少ないと言われる栃木県だからこそ、自然災害の恐ろしさや、いのちを守るすべも教えてくれる防災館は、大変重要な役割を担っています。防災という県民の命と財産を守る仕事は、県が責任を持って、必要な予算を確保し、さらに多くの県民に利用してもらう努力をはかるべきではないでしょうか。
 つぎに第15号知事の専決処分についてのべます。まず第39号、19年度一般会計補正予算ですが、国の交付税削減による税収不足や県庁舎建設でかさんだ県債を、もっぱら県民サービス切り捨て、医療・福祉・介護費用などの抑制で補おうとするもので認められません。
 第59号は、道路特定財源暫定税率の復活によって、自動車取得税、軽油引取税などを平成30年3月31日まで延長するものです
 ムダが指摘される道路中期計画にはメスを入れず、一般財源化するといいながら暫定税率を延長した福田内閣に国民の批判が高まっています。参議院では、首相問責決議が可決されました。同時に、暫定税率復活を求めた福田知事の対応も納得できません。暫定税率復活は県民への増税を求めたもので、国際的な投機とあいまって、ガソリン、軽油などの価格高騰は県民生活に激甚災害のように襲いかかっています。そのうえ知事は、政府与党が衆院で再議決する方針であることを承知の上、あえて20年度予算の一部執行停止を命じました。それも「子ども医療費無料制度」や「私学助成」などを執行停止の対象にすることで、県民の不安をあおり、暫定税率復活をアピールするというやり方は、とうてい理解しがたいものでした。お母さんたちから「子ども医療費を削るなんて」と驚きと不安の声があがりました。ある県の知事が「私たちは財政のプロですから、県の中のお金のやりくりはどんなふうにもやれる。」と執行停止などはしないとの態度を示したのとは対照的でした。私はこのような福田知事の政治姿勢に信頼を寄せることはできないのであります。よってこれらの専決処分に反対を表明し、討論といたします。